鍼灸治療では気を調整します。
気(QI)はlife energyと英訳されますが、近年はVital Substance(活力的細微物質)とされることもあります。
「気」の字は「氣」を簡略化したものです。「氣」の字は、上部の「气」と下部の「米」から構成されています。「气」の部分は、「三」の形が変じたもので、「湧き上がる雲」や「上昇気流」を表す象形文字とされています。また、息や気体、水蒸気を表すとも言われています。「米」の部分は、「穀物の穂の枝の部分とその実」を表す象形であるとともに「米粒のように小さい物」を意味するとも解釈されています。これらの要素が組み合わさって、「蒸気・水蒸気」のイメージで、米を炊いたときに湯気が八方に散っていくさまを表現しているとされます。
このように、「氣」の漢字は自然現象や生命力、エネルギーなどの概念を表現するために、目に見える現象(雲や水蒸気)と物質(米)を組み合わせて作られた文字だと考えられています。
東洋医学で言う気(Qi)は、人体の構成や生命活動を維持し、強い活力を持ち、絶えず運動する精微な物質で、その運動の停止は、生命活動の停止を意味します。
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