夏の土用

東洋医学の基本的な考え方である五行説では、すべての物事を木・火・土・金・水の5つの要素に分け、これらの関係によって説明します。しかし季節は春夏秋冬の4つしかないため、各季節の間に「土用」、夏の盛りの暑い時期に「長夏」を入れて5つにしました。土用は「土」の気の働く時期ですが、土に属する長夏と重なる夏の土用には土の気が特に働きます。夏の土用は立秋の前の18日間で、2024年は7月19日から8月6日です。
五臓のうち、「土」に属する「脾(ひ)」は胃とともに働いて消化吸収を司り、全身のエネルギーのもと「気」を生み出しています。脾や胃の機能が低下すると、飲食物から「気」を作り出せず、消化不良や夏バテを起こしやすくなります。夏の土用は、おなかに関連するトラブルが多い時期です。普段から弱い人は脂っこい食べ物を避け、脾胃を労わることで、夏バテを防ぎ、健康を維持できます。

この記事を書いた人

広島市在住。鍼灸師としてココロとカラダのアシストをするとともに、呼吸法や坐禅を取り入れ、トータルでのケアを実践しています。

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